チャールズ好きなやついる?いねぇよなぁ!

ここにいるぞ!

 

というわけで、サガフロ2プレイヤーであれば100人中100人が嫌っているであろうヤーデ伯チャールズについて語っていきます。

 

チャールズは、あのケルヴィンを父に持ちながら、かのカンタールを「子ばかり作っている犬」と吐き捨てたり、ハン・ノヴァ元老院を挑発しまくって出てきた偽ギュスターヴに嬉々として戦いを挑んだと思ったら戦死したりと、好かれる要素が皆無のナイスガイです。

 

私もプレイ時は嫌いだったのですが、設定資料集を読んでいるうちに彼にも魅力があることに気づいたので、チャールズくんにもいいとこあるんだぜ!ということをみんなに知ってもらいたいんだ!

 

チャールズの、ちょっといいとこ見てみたい

戦闘力がつ、つよすぎる

チャールズは若干11歳でギュスターヴの南方遠征に従軍するなど、戦乱の中で成長。覇を唱えるギュスターヴに対し、尊敬と憧れの念を抱いていく。

14歳の時には、ラウプホルツへの出兵で初敗北を経験するも、悔しすぎたチャールズは、グラン・ヴァレの石橋陥落の報を聞き、手勢を連れて独断専行で突撃。あまりの勢いにバターのように溶けていく敵軍。その姿はヤーデの紋章と赤い戦衣から「赤天馬」と呼ばれた。ここがチャールズの人生のピークだった。

 

戦犯の数々

そんな戦闘力がバカ高いチャールズであったが、プライド高く好戦的な彼は、数多くの失敗があった。

 

連戦連敗

17歳の時に南の砦でギュスターヴが死亡。以降、ヤーデ伯の目下の敵はオート侯カンタールであった。

チャールズは「赤天馬」の異名を持つ一騎当千の猛将だったが、統率や知略にステータスを振っていなかったらしい。ケルヴィンから「深追いするな」と言われたのに深追いして返り討ちにあったり、ケルヴィン不在時に砦の守りを任されていたのに何度も釣り野伏にあって一時的にヤーデ伯継承権を失ったりした。

 

犬の臭いがする

カンタールに苦々しい思いをさせられていたチャールズだったが、カンタールが病に倒れたと知ると反撃、快進撃を続けていた。そんな折、グリューゲルに宮廷作法を学びにきていたカンタールの娘、ヌヴィエムと邂逅。調子に乗っていたチャールズは、貴族の悪いところを煮詰めたような発言でヌヴィエムの恨みをしこたま買ってしまう。

数年後、病を押して出陣したカンタールにボコられるというオマケもついた。

 

フィリップ3世見殺し

フィリップ3世は、少数の手勢でヤーデへ帰郷中、野党の襲撃を受ける。多勢に無勢と兄チャールズに援軍を要請するも、チャールズがこれを無視したことでフィリップ3世は死去。

後にこれが露見し、フィリップ3世の息子ギュスターヴ15世(グスタフ)は家出を決意することになる。フィニー王家の正統後継者は全員失われることとなった。

ちなみに、フィリップ3世の死去はケルヴィン死去の1年前。ケルヴィンはどんな気持ちで最期を迎えたのだろうか。

 

鋼鉄兵舐めすぎ

反乱が頻発するようになったロードレスランド。鎮圧のための兵糧出資額を上げるため、ハン・ノヴァ元老院に圧力をかけると、元老院はこれを拒否。ギュスターヴの名を騙るエッグに助けを求める。

チャールズは偽ギュスターヴ討伐の名のもと、堂々とハン・ノヴァを叩けると嬉々として出撃。見事に討ち取られてしまう。

享年53歳。なんだかんだでギュスターヴ様より長生きであった。

 

 

情状酌量の余地

チャールズくんのいいとこ、と言いながらだんだんとトーンダウンしてきましたが、彼にも一応事情があるんだよ、ということを最後に話しておきたいと思います。

 

不遇すぎる境遇

チャールズはヤーデ伯ケルヴィンとバース侯マリーの息子。チャールズは言うまでもなくヤーデ伯の長男であり、ヤーデ伯の後継者であった。しかし、弟のフィリップ3世はヤーデ伯を継承しないがためにバース侯、つまりフィニー王国の後継者として育てられており、秘密裏にファイアブランドの儀式も済ませていた。

ナ国の家臣にすぎないヤーデ伯を継承する自分と、かのフィニー王国を継承する弟。覇王の顔を持つギュスターヴに憧れを抱いていたチャールズにとって、それはあまりにも残酷な現実だった。

 

建前にがんじがらめの父

そのような不満を持つチャールズは、実際にはナ国を凌駕するほどの力を持ちながら、ナ国の家臣であるという立場にとらわれ、カンタールとの戦いを無用に長期化させる父ケルヴィンに歯がゆい思いをしていた。

ナ国に援軍を借り受けて大軍を持って当たれば、カンタールなど恐れるに足りず。援軍を断るようなら、ナ国といえども容赦はしない。

ギュスターヴのように覇をもって東大陸を平定せん、というのがチャールズの考えだった。

 

カンタールに教えられたこと

そんな考えを持つに至ったのは、チャールズの生来の気質もあるものの、建前に捕らわれて身動きがとれない父に引き換え、「政治は行動だ」ということをカンタールに身をもって教えられた経験あってのものかもしれません。

 

尊敬する父のため

歯がゆさを感じつつも、尊敬する父のため、そして自分自身のために、躍起になって戦いに臨んだチャールズ。これが結果的に焦りにつながってしまったことで、カンタールにつけ込むスキを与えてしまい、屈辱的な敗北を重ねることに。

カンタールに対する怨念を募らせていたチャールズは、その娘ヌヴィエムに暴言を吐き、結果として父ケルヴィンをさらなる苦境に立たせることになった。

 

チャールズの魅力

チャールズはゲーム中では単にプライドは高いが思慮が浅い愚か者という印象になります。

しかし、実際にはギュスターヴの遺志が彼を弟への嫉妬に向かわせ、ギュスターヴの覇王としての横顔とカンタールの行動で示す政治力が彼を力による支配に向かわせ、ヤーデ伯の置かれた立場が焦りを生み、敗戦を重ねたことでカンタールへの憎悪を募らせた。

その積み重ねが彼を「愚か者」にしたというのが実態だったのかもしれません。

同情に近い感情がありますが、同時にフロ2の中では珍しく雑に扱っても怒られないという懐の深い彼に、私はやっぱり魅力を感じているのでした。